平成27年10月10日に舞鶴市が所蔵する引き揚げ関連資料「舞鶴への生還 1945-1956シベリア抑留等日本人の引き揚げの記録」がユネスコ世界記憶遺産に登録されてから今年で5周年を迎えるのを記念して開催いたします。
本フォーラムでは、改めて登録の意義を振り返り世界記憶遺産への理解を深めるとともに、「若い世代が考える国際平和」をテーマにしたディスカッションでは、中高校生の語り部やウズベキスタンとの交流を続ける学生などが参加し、引き揚げの歴史を通して、平和や命の尊さ、人と人の結びつきの大切さなどをともに考える機会といたします。
◆開催日時 令和2年10月10日(土) 13時30分~16時 受付は13時~
◆開催会場 舞鶴市総合文化会館大ホール (定員1410人)
◆主 催 舞鶴市
≪第1部≫「ユネスコ世界記憶遺産登録の意義を考える」
◆主催者挨拶◆
舞鶴市長 多々見 良三
◆来 賓 挨 拶◆
京都府知事 西脇 隆俊 氏
京都国立博物館長 :佐々木丞平 氏
文部科学省国際統括官付国際戦略企画官 日本ユネスコ国内委員会事務局次長 石田 善顕 氏
登録後の5年間の取り組み紹介
感謝状贈呈
舞鶴市ユネスコ世界記憶遺産有識者会議 会長 東京女子大学 教授 黒沢 文貴 氏 副会長 京都国立博物館 副館長 栗原 祐司 氏 委員 国立民族学博物館 教授 園田 直子 氏 委員 京都外国語大学 教授 クレイグ・スミス 氏(故人) 調査チーム 中央大学 政策文化総合研究所 客員研究員 佐藤 元英 氏 調査チーム 駒澤大学 教授 熊本 史雄 氏 |
≪第2部≫「次世代が考える国際平和」
●アトラクション:京都府立東舞鶴高等学校吹奏楽部
●次世代による平和への取り組み発表:舞鶴市立若浦中学校3年生
●ディスカッション「次世代が考える国際平和」
◇コメンテーター 京都外国語大学国際文化資料館館長 南博史氏
◇パネラー 京都外国語大学 真下栞里(舞鶴市出身)
・日星高等学校 川井玄仁(レスリング部)
・高校生語り部(舞鶴・引揚語りの会サポーター)4人
◇進 行 舞鶴引揚記念館学芸員 長嶺睦
●平和のメッセージ
・大浦小学校・朝来小学校代表
●平和のメッセージと合唱:舞鶴市立若浦中学校 全校
<曲目> 「引揚者を迎える歌」「ふるさと」
【「ユネスコ世界記憶遺産」登録資料の概要】
申請日 平成26年3月4日
申請方法 電子メール (※後日、製本したものも郵送)
申請者 舞鶴市長 多々見 良三
国内選考日 平成26年6月12日
登録日 平成27年10月10日
資料名:「舞鶴への生還 1945-1956シベリア抑留等日本人の本国への引き揚げの記録」
テーマ: シベリア抑留や引き揚げに関する資料
構 成: A「シベリア抑留体験の記録」
B「安否を気遣い帰還を願う日本の家族に関する資料」
C「引揚関連資料」
点 数: 570点
推薦書の概要:
「舞鶴への生還 -1945~1956シベリア抑留等日本人の本国への引き揚げの記録-」は、第二次世界大戦の敗戦にともない日本帝国が崩壊する中で、ソ連領に抑留された約60万人から約80万人といわれる日本軍人と民間人たちの、筆舌に尽くしがたい抑留生活と日本本国への苦難に満ちた引き揚げの歴史を伝える資料である。彼らの本国への引き揚げは、終戦から11年を経た1956年に終了するが、ソ連はすでにドイツ人等の旧敵国側の軍人と民間人の抑留を同様に行っており、日本人の抑留もその一環としての同時代的意味を持つ歴史的出来事である。また抑留と引き揚げ
は、戦後の日本では、国民が戦争のない平和な世界を希求する上での大きな礎となった稀有な体験として、後世に語り継ぐべき大きな戦争の記憶となっている。
当該資料は、意に反して抑留された抑留者たちの困窮や絶望、生き抜く力、家族への思いや帰国への希望、そして彼らの帰国を待つ留守家族の家族愛と日本国民の同胞愛など、人類共通の普遍的主題を伝えるものである。公的記録が乏しい中、奇跡的に現存する当該資料は、第二次世界大戦後の悲惨な惨禍を生き抜いた、一人ひとりの人間性あふれるまさに稀有な、真正無二の世界が共有すべき貴重な遺産である。